自然科学研究における『緊急性』

かんがえても限のない事なのではあるのだが、どうしても時々引っかかる。

 

よく『緊急性の高い研究』という言葉を目にする。応用的な話、実用的な話であれば、確かに緊急性が高いのだろうなと思う。鳥インフルエンザが猛威を振るっている時、そのワクチン開発は確かに緊急性が高いだろう。原発事故を受け、放射能除染に関する研究も緊急性が高い。

 

ただ、自然科学の基礎研究になると、研究自体の緊急性とはなんだろうか?

 

予算の請求、アウトリーチ、様々な状況で『緊急性』を主張する。ただ、よくよく聞いてみると、研究基盤が整っているから、研究環境がそうだから、果ては競争相手がいるのだから・・・

 

それはすべて副次的要素であって、研究内容がもつ『緊急性』ではないのでは?なぜ、今それをやらなければならないのか?なぜ『今』、暗黒物質を探さないといけないの?なぜ『今』、ヒッグス粒子を探さないといけないの?なぜ『今』、巨大加速器を日本につくらなければいけないの?なぜ『今』ASTRO-Hが必要なの?

 

ある時期はこれが『どうして1番でなければならないの?』なんて言葉だったわけなのだけれど・・・