『雨が降り続けます』『雨が降り続けています』

なぜか

「雨が振り続けています」

という表現が気になった。例えばキャスターが豪雨が続く様を表現しようとして使っていた。

『け』が気になる。「雨が降り続いています」が良いのでは?と思うのだけど。他に気になる人はいないのか?とぐぐってみると・・・・・

ちらほらいます。多くの主張は「続く」「続ける」と、自動詞・他動詞の違いだという。「複合動詞」という意見も。

「複合動詞」という説明は腑に落ちる。

「雨が降り続ける」

というという表現にはあまり違和感を感じない。ああ、降り続けているのだろうなと、思う。???あれ、じゃあいいじゃん、問題ないじゃん。今も自分で「ああ、降り続けて(い)るんだろうな」って思ったじゃん、ってことになって全くなにが気持ちわるいのかわからないのが気持ちわるい。

イントネーション的な事なのだろうか?よーく考えてみると、頭の中では続けているのうち、「い」はかなり弱く、感覚的には

「降り続けてる」

に近いような気がする。じゃあキャスターが

「・・・・雨は依然として降り続けてます。」

といったら違和感を感じないのだろうか?そうでもないような気がする。「降り続いている」と言ってほしい。

 

もともと自動詞・他動詞説を唱える人は、雨は能動的に降り続けようとするわけではなく、現象が単に「続く」だけで、「続けよう」としているわけではないと主張する。でも複合動詞派の人は、日本語は複雑で自他を超えた用法があって、「続く」事を「続ける」と表現する用法を作り上げてきたのだと言う。確かに「雨が降り続ける」のは、雨が能動的に止めようとしないわけでもないのだが、雨が降り続く様子を表現するのに使う。さて、なぜ「降り続ける」のが良いのに「降り続けて(い)る」のは気持ちわるい?

 

さてさて、混乱に拍車がかかってきたのだが、

https://www.lang.nagoya-u.ac.jp/bugai/kokugen/nichigen/issue/pdf/11/11-09.pdf

というような論文もあるようだ。なんだが長くて大変なのだけど、「~ける」がいかに難しい表現なのかが分かるような気がする。

 

継続を示す複合動詞的な働きと、「~*を*し続ける」という他動詞的な表現が拮抗し、他動詞的表現が勝つ場合に違和感を感じてしまうのだろうか?「雨が降り続けています」「彼が振り続けています」と並ぶと確かに気持ちが悪い。

 

すでに「雨が降り続ける」のは継続を示し「降り続く」様を表しているのだけど、その状態をしめそうと「続けている」とするのが問題なのだろうか。