「テスターで導通を確認する方法」が分からない理系学生
しばらく前から気になっている現象の一つが、「テスターで導通を確認する方法」が分からない学生が沢山いること。結構レベルの高い大学の物理学科の学生から、そうでもない物理学科の学生、どちらにも比率は違うけれども、一定数存在する。もしかしたら近年その割合は増加しているかもしれない。
どんなシチュエーションを想定しているのかというと、なにかの回路があるときの2点間の導通、ハンダでケーブルをつなげた時の接続点の導通、まあそんなところ。ある主のトラブルシューティング的場面もあり。で、「導通確認してみて」といっても、反応が「???」。「テスター使って」といっても「???」。
完全に無反応の場合はそれほどないのだが、おもむろに「電流」や「電圧」を測定する場合が結構な頻度で起こる。
順を追って説明すればまず間違いなく「抵抗」測定を行う事を理解できるので、別に中学理科をないがしろにしてきたわけでもない。(電磁気やら量子力学やら相対論の単位をちゃんと取得できる優秀な学生だって、結構戸惑う。不思議)
これだけ多くの学生に同じ現象が起きるのだから、きっとなにか原因があるはずなんだけど、いまだによく分からない。例えば
- テスターでは電流と電圧だけ測定できるとおもっている
のかと思えば、どうもそうではないらしい。。。
- 導通ということは電流が流れる
ということはどうやら理解できている
- 電流の流れ安さがポイントらしいということもわかっている
ような気がする。
むしろ「テスターは電圧(電流)測定」というイメージが先行していて、抵抗測定まで到達しないような感じをうける。じゃあ電圧を測定しないといけないのだから、対称とする部分に電圧をかけるのか?というとそういうアクションをする学生はいない。
うーん。よく分からん。
こういう場合は自分自身を振り返ってみるのが良いというのが通説ではあると思うけど、「導通を確認するのに抵抗値をはかりなさい」なんて習った記憶はなくて、テスターの中に抵抗測定モードがあるから、それを使ったような記憶しかない。実はどこかで習っていたのか?かつてはそういう学習システムが構築されていたのだが、いつかの時点で破壊されてしまったのか?
確かに普段の生活で導通を考えるような事ってあまりないわけなんだけど。AVの配線だって、スピーカーの配線とFMAM簡易アンテナの配線くらいか?導線をさわるのは。(アースもあるが無視されがちだったりするし、電気屋さんがやってくれるというケースも多いだろうし)
いつか高等教育で「テスターを利用した導通チェック」について正規に教える日がくるのだろうか?